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文献詳細

雑誌文献

臨床検査36巻13号

1992年12月発行

文献概要

今月の主題 溶血性尿毒症症候群(HUS) 技術解説

腸管出血性大腸菌の同定法 3.血中抗体検査

著者: 竹田多恵1

所属機関: 1国立小児医療研究センター感染症研究部

ページ範囲:P.1339 - P.1343

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EHECは下痢や出血性大腸炎などの消化器障害にとどまらず,感染後1週頃からHUSや神経系障害を併発するために,早期の鑑別診断が重要である.しかし,こうした重症化がみられる頃には感染からの時間が経過していることや抗生剤などの投与を受けており,原因菌が検出できないことが多い.このように培養陰性の例では患者血清中のEHEC菌体O抗原(LPS)に対する抗体検索が本菌感染症の診断上有用である.LPS抗体(IgM)は初発症状後1週間にはすでに高値として検出されるため早期診断法として有用である.一方,VT抗体(IgG)は20~30日になってようやく上昇がみられ,しかもその値はわずかであること,健康成人血清中からもしばしば高い抗体価が検出されることなどから,疾患との因果関係を判定するには慎重でなければならない.〔臨床検査36(13):1339-1343,1992〕

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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