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文献詳細

雑誌文献

臨床検査36巻13号

1992年12月発行

文献概要

今月の主題 溶血性尿毒症症候群(HUS) 技術解説

von Willebrand因子重合体の検査

著者: 安室洋子1 滝正志2 富田幸治3

所属機関: 1聖マリアンナ医科大学病院臨床検査部 2聖マリアンナ医科大学小児科学 3浜松赤十字病院小児科

ページ範囲:P.1344 - P.1349

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von Willebrand因子(vWF)は血管内皮細胞および骨髄巨核球で生産される高分子糖蛋白質である.損傷された血管の内皮下組織と血小板を接着させる接着分子として働き,一次止血に重要な役割を果たしている.von Willebralld病はこのvWFの先天性異常症として数多くの変異種が存在する.この診断のためにはvWFの抗原量,活性値,マルチマー分析が行われる.近年では後天性のvWFの異常症が報告され,HUS/TTPにおけるマルチマー分析で急性期に出現し,寛解期に消失する正常なlargemultimerより大きな分子のsupranormalが血小板凝集の強力な惹起物質となるとの報告もあり,HUS/TTPの病態解析に大きな意味を持つものと考えられる.〔臨床検査36(13):1344-1349,1992〕

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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