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文献詳細

雑誌文献

臨床検査36巻13号

1992年12月発行

文献概要

今月の主題 溶血性尿毒症症候群(HUS) 技術解説

血小板凝集因子の検査

著者: 花房秀次1 稲垣稔2

所属機関: 1荻窪病院小児科 2広島大学教育学部児童保健学

ページ範囲:P.1355 - P.1359

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HUS急性期には,血小板凝集が亢進し腎において血栓を形成し,血小板減少,溶血性貧血,腎機能障害が生じると考えられている。しかし,患者血小板を用いての凝集亢進は証明されていない.その理由は患者末梢血においては血小板数の低下が存在すること,あるいは流血中の血小板は活性化後の疲弊した状態にある可能性が強いためである.一方,これまで患者血漿中の血小板凝集因子については,健常者血小板を用いて種々の検討がなされてきた.HUS急性期の血小板凝集亢進は,血漿中の血小板凝集の元進因子の増加か抑制因子の減少,あるいは血管内皮細胞障害により生じると思われる.HUSは症候群であり,その原因により血小板凝集へ与える因子も異なることが推定される.〔臨床検査36(13):1355-1359,1992〕

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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