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文献詳細

雑誌文献

臨床検査36巻13号

1992年12月発行

文献概要

TOPICS

コイロサイトーシス

著者: 岩成治1

所属機関: 1島根医科大学産婦人科学

ページ範囲:P.1375 - P.1376

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 コイロサイトーシス(koilocytosis)とは組織標本や細胞標本に空洞細胞(koilocyte)が出現している現象を指し,Ayreによって最初に発表され,Kossによって子宮頸部上皮内癌との関連が予見されてから注目されるようになった.また,電顕によりkoilocyteの核内にウイルス粒子が認められ,in situハイブリダイゼーション法により,そのウイルス粒子はhuman papilloma virus(HPV)感染であることが確認された.さらに最近発達した分子生物学からHPV型別のkoilocyte出現率も調べられたが,condylomaの原因と考えられる6あるいは11型や,子宮頸癌の原因と考えられる16あるいは18型などの型には,出現形態も出現頻度も相関しないことがわかってきた.また,最近HPVの感染の認められた異形成が癌に進行しやすいという報告もあり,子宮頸癌の二次予防や,異形成のfollow-up上,HPVの感染の有無を知ることは重要で,koilocytosisを初めとするHPV感染の細胞所見(dyskeratosis,smudgednucleation,multiple nucleation)に注目する必要性が出てきた.そこでアメリカの細胞学会を中心とするThe Bethesda Systemによる細胞診断のレポートでは,HPV感染の有無をはっきりと報告することになっている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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