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文献詳細

雑誌文献

臨床検査36巻13号

1992年12月発行

文献概要

TOPICS

モノクローナル抗体;Ber-EP4

著者: 伊藤仁1 長村義之1

所属機関: 1東海大学病院病理診断科

ページ範囲:P.1376 - P.1377

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 病理組織診,細胞診に免疫組織化学的手法である酵素抗体法が導入されて以来,診断に有用な抗原の局在が観察可能となり,現在では多種多様の抗原に対するさまざまな抗体が市販されている.これらの中でも特に日常のルーチン業務においては,組織型を決定するためのマーカーが頻用され,腫瘍が上皮性であるか,非上皮性であるかに用いられるkeratin,vimentin,carcinoembryonicantigen (CEA),epithelial membrane antigen(EMA),leukocyte common antigen (LCA)などの使用頻度が最も高い.
 近年,DAKO社より市販されているモノクローナル抗体Ber-EP4は,乳癌細胞培養株を免疫原とする新しい上皮性マーカーであり,扁平上皮の表層細胞,肝細胞,壁細胞を除くすべての上皮細胞,癌細胞の細胞膜および細胞質と反応し,中皮細胞および筋肉,リンパ組織などの間葉系細胞や,神経,神経膠細胞では陰性を示す.したがって現在頻用されているkeratin,CEA,EMAなどの上皮性マーカーと同様に,上皮性腫瘍と非上皮性腫瘍の鑑別に有用であり,また肝内胆管は陽性を示すが,肝細胞では陰性のため,肝内胆管癌と肝細胞癌との鑑別に有用であると言われている1)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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