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文献詳細

雑誌文献

臨床検査36巻3号

1992年03月発行

文献概要

海外だより

ルワンダ共和国

著者: 吐崎修1

所属機関: 1青年海外協力隊 1988年度2次隊

ページ範囲:P.328 - P.329

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 アフリカのど真中に私はいた.東にケニヤ,西にザイール,小さな最貧国ルワンダ.あるのは千の丘と年中日本の春を思わせる気候.幹線道路を車で5時間も走れば国境から国境に行ける.途中にある丘という丘すべてが畑化され,バナナ,豆,芋,トウモロコシが栽培されている.町の市場には多くの野菜や果物,それにつるし切りされている牛の肉.一人暮らしの私にはバナナ,アボガド,ビールがエネルギー源である.
 北の国境から約20kmの町,ルヘンゲリ病院の中央検査室が私の任地である.マウンテンゴリラの生息地で有名な火山国立公園.そこは4,000m級の山々が連なり,その最高峰カリシンビは頂上に雪を頂き,夕陽をバックに黄金色に輝く姿は実に美しく挫折感や無力感を飲み込み,いつも初心に帰らせてくれる私のもう1つのエネルギーである.
  首都キガリを車で出発し約2時間,メインストリートはたった200m.うっかりしていたら通り過ぎてしまいそうな町,ルヘンゲリである.日本人として3番目にここへ入る私が現地人には珍しいらしい.現地の人々にとっては東洋人=中国人で,口々に「シノワ(フランス語で中国人の意)」「ニイハオ」と言いながら車を取り囲む.これが任地での最初の洗礼である.協力隊員として私が一番初めに覚えたルワンダ語は「Ndiumuyapani. Sndi umusinowa.(私は日本人です.私は中国人ではありません.)」であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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