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今月の主題 血管内皮細胞 巻頭言
血管内皮細胞研究の多様性
著者: 住吉昭信1
所属機関: 1宮崎医科大学病理学第一講座
ページ範囲:P.353 - P.354
文献購入ページに移動 およそ血管は,すべての臓器に分布しており,その生理機能の維持に重要な役割を演じている.その内皮細胞は,極めて多彩な機能を有することが明らかになってきているが,このような多様な機能を有する内皮細胞の研究が急速な進歩を遂げたのは,ここ20年そこそこのことであり,それを可能にした最も重要な出来事は,血管内皮細胞培養法の確立とその応用の進歩である.加えて,新しい生体物質化学の研究,同定法,さらに細胞生物学的研究法の急速な進歩,導入に負うところが大きい.
血管内皮細胞の有する循環調節における共通した機能は,血液循環の究極の目的である末梢組織での物質交換を円滑に行うのに必要な血液循環を維持することで,そのために全身で10m2にも及ぶとされる内皮細胞表面上に接する血液の流動性を保持する働きを有している.そのために各種の抗血栓性(血小板やその他の血球,血液成分が粘着,凝固するのを防止する)機能を有すると同時に,自身は基底膜に付着して,単層(重層化しない)に増生し,血管内腔を開放性に保つ性質を有している.
血管内皮細胞の有する循環調節における共通した機能は,血液循環の究極の目的である末梢組織での物質交換を円滑に行うのに必要な血液循環を維持することで,そのために全身で10m2にも及ぶとされる内皮細胞表面上に接する血液の流動性を保持する働きを有している.そのために各種の抗血栓性(血小板やその他の血球,血液成分が粘着,凝固するのを防止する)機能を有すると同時に,自身は基底膜に付着して,単層(重層化しない)に増生し,血管内腔を開放性に保つ性質を有している.
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