icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床検査36巻4号

1992年04月発行

文献概要

今月の主題 血管内皮細胞 技術解説

トロンボモジュリン

著者: 石井秀美1 木崎景一郎1 堀江修一1

所属機関: 1帝京大学薬学部臨床生化学教室

ページ範囲:P.361 - P.366

文献購入ページに移動
 トロンボモジュリン(thrombomodulin;TM)は,血管内皮細胞膜上に存在する血液抗凝固蛋白質である.内皮細胞が炎症性サイトカインやエンドトキシンにさらされると,TMの発現は低下し,炎症や感染症時において血栓が発症しやすいことの1つの要因と考えられている.一方,内皮細胞へのサイクリックAMPやレチノイン酸の処理によってTMの発現量の増加することが報告され血栓症の予防と治療の面から注目されている.また,循環血漿中にはTMの分解産物である低分子のTM抗原が存在し,血漿中TM抗原量の増加は内皮細胞障害の程度を推測する指標としても注目されている.本稿ではこの様に多方面から注目を集めているTMを,実際に測定する方法を詳述した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?