臨床検査36巻4号

1992年04月発行

今月の主題 血管内皮細胞 技術解説

血小板活性化因子（PAF）

著者： 唐沢健¹ 野島庄七¹

所属機関： ¹帝京大学薬学部薬品物理化学教室

ページ範囲：P.384 - P.390

　PAFは血管内皮細胞などの炎症細胞からさまざまな刺激に応答して産生されるリン脂質の1分子種であり，エンドトキシンショックなどの病態に深く関与すると考えられている．病態におけるPAFの役割について知るうえで，生体試料中のPAFの定量分析，PAFの標的細胞におけるPAFレセプターの同定，細胞組織におけるPAFの生合成酵素および分解酵素の活性測定は欠かすことのできない研究手段であり，これらに関し最近の進歩を含め解説した．