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成人T細胞白血病ウイルスと慢性関節リウマチ
著者: 中山純子1 岩倉洋一郎1
所属機関: 1東京大学医科学研究所
ページ範囲:P.417 - P.418
文献購入ページに移動 成人T細胞白血病ウイルス(HTLV-1)は,成人T細胞白血病(ATL)の原因ウイルスとして知られる1)が,近年ATL以外の疾患との関係が注目されている.HAM(HTLV-1 associated myelopathy)と呼ばれる脊髄疾患はその一例だが,ほかにもATL以外の悪性腫瘍,慢性関節炎,外分泌腺の異常を伴うSjögren症候群,眼のブドウ膜炎などへの関与が疫学的なデータなどから疑われている.ただしこれまでのところ確実に証明されるには至っていない.
HTLV-1のキャリアのうち,ATLを発症するのは,およそ1/2,000であることを考えると,むしろ他の疾患を多く引き起こしている可能性もある.ATLはHTLV-1の調節遺伝子tax遺伝子が,宿主の遺伝子をも活性化することと関係する可能性が示唆されており2),他の疾患でも同様の機構が働くのかもしれない.
HTLV-1のキャリアのうち,ATLを発症するのは,およそ1/2,000であることを考えると,むしろ他の疾患を多く引き起こしている可能性もある.ATLはHTLV-1の調節遺伝子tax遺伝子が,宿主の遺伝子をも活性化することと関係する可能性が示唆されており2),他の疾患でも同様の機構が働くのかもしれない.
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