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文献詳細

雑誌文献

臨床検査36巻5号

1992年05月発行

文献概要

トピックス

多波長時間ゲート法光CT

著者: 篠原幸人1 川口文男2

所属機関: 1東海大学神経内科 2(株)日立製作所中央研究所

ページ範囲:P.532 - P.533

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 光CTとは被写体に光を照射し,透過光から被写体内部の物質の分布を計算機処理により画像化するもので,照射光の波長を選ぶことにより特定の化学物質の分布を選択的に画像化できるという特徴がある.このため光の波長を的確に設定することで生体内の代謝や循環の様子を非侵襲的に画像化できる可能性があり,特に脳の循環や代謝への臨床応用が期待され,光エレクトロニクス技術の進歩に伴い,実用化を目指した研究が活発化している.しかし生体組織の強い光散乱のため人間への適用の見通しは立っておらず,主に基礎技術の開発とその評価のための小動物による画像化実験が進あられている1~3)
 光CTに用いられる可視から近赤外波長域の光は被検体である生体組織により,強い散乱を受ける.このため生体に入射した光は直進することができず多数回の散乱により複雑な経路を通り検出器に入射する.したがってこの透過光により得られるデータは散乱と吸収の影響を複雑に含んでおり,そこから正確な吸収量を求め,さらに画像化するにはX線CTなどとは異なる新しい画像化技術の開発が必要となる.このような技術課題の解決を目的とした方式がいくつか提案されているが実用化には至っていない2,4)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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