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文献詳細

雑誌文献

臨床検査36巻6号

1992年06月発行

文献概要

トピックス

プロバイオティクス

著者: 本田武司1

所属機関: 1大阪大学微生物病研究所

ページ範囲:P.662 - P.662

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 この耳慣れないプロバイオティクス(probiotics;PB)という言葉は,antibioticsに対比される言葉で,probiosis(共生)に語源を有する.最初にPBという言葉が使われたのは1965年で,あるProtozoaが別のProtozoaを刺激する現象に使われた.その後Parkerらの定義の提案があった後,現在ではFullerが,PBとは"腸内菌叢(フローラ)を改善することにより,宿主に有益な作用をもたらす生きた(経口摂取できる)微生物"と再定義したものが一般に受け入れられている1)
 腸内フローラの中には,老化や発癌にかかわると考えられる"悪玉(有害)菌"が知られる2)一方,一部のものはビタミンの合成をはじめ,腸管感染原因菌の阻止作用,胆汁酸代謝(腸肝循環),免疫賦活作用,さらには整腸作用などを発揮し,"善玉(有用)菌"としての側面を持つものも知られてきている.後者の有用菌がPBとしてヒトではLactase欠損症,C. Difficile性偽膜性腸炎,下痢症などの治療や予後に使われ,動物では成長促進などの目的で使用されている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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