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アルツハイマー病におけるアミロイドの生成と沈着
著者: 森啓1
所属機関: 1東京大学医学部脳研究施設脳病理学部門
ページ範囲:P.666 - P.667
文献購入ページに移動 アルツハイマー病の成因を探るうえで,脳アミロイドβ/A4蛋白(以下β/A4蛋白)を研究することには理由がある.β/A4蛋白の脳内沈着が高度にアルツハイマー病に特異的である.またこの沈着が他の脳病理変化である神経原線維変化や細胞死に先だって出現することも強調に値する1).これらの神経病理学的および蛋白化学的理由に加えて,遺伝的背景も重要である.まれではあるが遺伝性の(家族性)アルツハイマー病をもつ家系があり,β/A4蛋白前駆体遺伝子内に点突然変異が発見されたこと2)は特筆に値する.すでに本遺伝子がヒト染色体21の長腕部に局在することが見いだされており,遺伝性の突然変異が期待されていただけに,その意義は決定的であると言える.
ヒト染色体21は,ダウン症候群(トリソミー21)の例や早期発症型家族性アルツハイマー病の原因遺伝子が染色体21にあるという家系調査3,4)とともに,痴呆研究にとって現在もっとも関心を集めている座と言える.
ヒト染色体21は,ダウン症候群(トリソミー21)の例や早期発症型家族性アルツハイマー病の原因遺伝子が染色体21にあるという家系調査3,4)とともに,痴呆研究にとって現在もっとも関心を集めている座と言える.
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