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文献詳細

雑誌文献

臨床検査36巻7号

1992年07月発行

文献概要

今月の主題 皮膚 話題

Kaposi肉腫の診断

著者: 塩田真美1 森茂郎1

所属機関: 1東京大学医科学研究所病理研究部

ページ範囲:P.757 - P.760

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 1.はじめに
 Kaposi肉腫は,皮膚やリンパ節に小血管や異型紡錘型細胞が不規則に増生し大小の結節を作り,ときには内臓にも侵襲する奇病である."肉腫"と命名されてはいるもののその本態は不明で,"腫瘍か非腫瘍か?"の議論をはじめとして,その本態,病因の解明に興味が持たれてきたが,一部の地域を除いて非常にまれな疾患であるため,日常の診療で問題になることはほとんどなかった.しかし本症がAIDSに高頻度に合併すること,この数年間のAIDS症例が急増していることなどにより,Kaposi肉腫はたいへん重要視されるに至っている.
 今回のテーマであるKaposi肉腫の診断について言うと,現在のところ単独で決め手になる検査法はなく,もちろん診断基準も定められていない.最終的には病理学的所見に臨床的,疫学的所見を加味して診断しているのが現状である.本稿ではわれわれの経験したKaposi肉腫症例を呈示して,その特徴を述べるとともに,診断上役立つと思われる本疾患の全体像について記載する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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