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文献詳細

雑誌文献

臨床検査36巻7号

1992年07月発行

文献概要

TOPICS

腸炎ビブリオの2種類の鞭毛の形成制御と機能

著者: 余明順1 本田武司1

所属機関: 1大阪大学微生物病研究所

ページ範囲:P.781 - P.782

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marine vibrioの中にはpolar flagella(極鞭毛)以外にlateral flagella(側鞭毛)を持つものがあり,Vibrio Parahaemolyticusもその1つである.液中ではsheath(鞘)を持つpolar flagellaの回転運動によって推進し,固形表面ではlatelar flagellaによって遊走することが知られている.V. Parahaemolyticusの棲息範囲は海水中,河口など幅広く,polar flagellaで水中を動き回り,生物あるいは非生物表面に出会ったときそこに付いて遊走するためにlateral flagellaを産生すると考えられる.このような環境による2種類のfiagellaの使い分けはどのようなしくみで行われるのであろうか?
 液中ではpolar flagellaしか形成されないのに対して,固形表面あるいは粘度の高い液中ではpolar flagella以外にlateral flagellaも形成されるという事実から,polar flagellaの自由な回転運動が制限されるような環境におかれたという情報がlateral fragella形成のきっかけになると推測される.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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