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パーキンソン病の理学的検査
著者: 長崎浩1
所属機関: 1東京都老人総合研究所運動機能部
ページ範囲:P.782 - P.783
文献購入ページに移動 パーキンソン病は多彩な錐体外路系の運動障害を呈することで知られる.普通これは3大症状,すなわち筋強剛(rigidity),振戦(tremor)および無動(akinesia)に分類されて検査されている.ここで問題となるのはいわゆる無動である.近年,従来は無動に含められていたすくみ(freezing)および突進(festination)現象(以下すくみという)が,いわゆる無動とも,さらに強剛と振戦とも独立の錐体外路系の運動障害として重視されるに至っている.ここで紹介するのは,このすくみ現象の簡単で定量的な検査法である.
パーキンソン病の運動障害としてすくみ現象が重要なのは,これが日常的なリズム運動すなわち歩行,発語,書字などに特異的にかかわっているからである.例えば,患者が歩き始めようとする.すると,1秒間に5回(5Hz)以上の早い振動が足の筋肉に不随意的に励起して,患者は通常の速さで歩行が開始できずにその場ですくんでしまう.もしあえて歩き始めようとすれば,患者は異常に速いリズムで突進し転倒する.このように,すくみ現象とは,歩行などのリズム運動を開始し,あるいは所期のテンポで維持できない障害である.
パーキンソン病の運動障害としてすくみ現象が重要なのは,これが日常的なリズム運動すなわち歩行,発語,書字などに特異的にかかわっているからである.例えば,患者が歩き始めようとする.すると,1秒間に5回(5Hz)以上の早い振動が足の筋肉に不随意的に励起して,患者は通常の速さで歩行が開始できずにその場ですくんでしまう.もしあえて歩き始めようとすれば,患者は異常に速いリズムで突進し転倒する.このように,すくみ現象とは,歩行などのリズム運動を開始し,あるいは所期のテンポで維持できない障害である.
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