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組織内ノカルジア検索のための抗酸菌染色
著者: 引野利明1
所属機関: 1群馬大学医学部第二病理学教室
ページ範囲:P.798 - P.799
文献購入ページに移動 ノカルジアは好気性病原性のアクチノミセス類の細菌で,土壌をはじめとして自然界に広く分布している.この菌はグラム陽性の抗酸性菌で,ツァペッグ寒天培地発育において黄,橙,紅,赤,錆鉄色などの多彩な色素を産生する1).人体への感染はカンジダやアスペルギルスと同様に日和見感染2)として感染するが,発症頻度は比較的少ない.
この菌による発症は,皮膚の小外傷から侵入する皮膚型ノカルジア症と,塵埃などとともに肺に吸入されて生ずる内臓ノカルジア症とに分けられる.起因菌としてはその多くがNocardia asteroidesである.発症別では内臓型ノカルジア症が最も多く,その中で肺ノカルジア症が大部分を占めるが,近年X線所見において肺結核や肺真菌症,さらに肺癌などとともに類似の所見を示し,ことに結核と同様の臨床症状を示す3)ことから菌感染においては注意が必要である.
この菌による発症は,皮膚の小外傷から侵入する皮膚型ノカルジア症と,塵埃などとともに肺に吸入されて生ずる内臓ノカルジア症とに分けられる.起因菌としてはその多くがNocardia asteroidesである.発症別では内臓型ノカルジア症が最も多く,その中で肺ノカルジア症が大部分を占めるが,近年X線所見において肺結核や肺真菌症,さらに肺癌などとともに類似の所見を示し,ことに結核と同様の臨床症状を示す3)ことから菌感染においては注意が必要である.
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