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文献詳細

雑誌文献

臨床検査36巻9号

1992年09月発行

文献概要

連載 重複表現型の白血病細胞・3

巨核球系と赤血球系の性格を併せ持つ白血病細胞

著者: 榎本康弘1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部病理学

ページ範囲:P.944 - P.945

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 前号のPO反応の項で,PPO(血小板ペルオキシダーゼ)反応には巨核球系とそれ以外の系にも同様な局在で反応がみられ,PPO様反応と呼ばれていると記載した.
 写真1は隣接する細胞A,Bの両方にPPO型の反応が出現し,Aの細胞には血小板特殊顆粒(PSG)の形成が見られることから巨核球系の細胞と同定できる.またBの細胞にはフェリチン粒子(FE)の集団(限界膜は不明瞭)が見られ,細胞膜にはフェリチン粒子を容れる微飲小胞(rhopheocytotic invagination,▲印)の形成があるなどにより赤血球系細胞と同定され,この反応はPPO様になる.またこの細胞は,PO反応によりヘモグロビンの合成がまだ発現していない未熟赤芽球といえる.PPO型の反応では巨核球系細胞のほうが赤血球系紺胞より強い活性を示すことが多い.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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