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トッピクス
マウスの肥満抑制物質―コレステノン
著者: 鈴木邦夫1
所属機関: 1理化学研究所
ページ範囲:P.1023 - P.1025
文献購入ページに移動 コレステノン(cholest-4―en-3―one)はコレステロールの3位の水酸基(―OH)がカルボニル基(―O)に変わり,B環の二重結合(△5)がA環(△4)にシフトしたもので,生体内では腸内細菌のコレステロールオキシダーゼ(cholesterol:oxigenoxidoreductase)によって腸管内で生成される物質である(図1).コレステノンはコレステロールと化学的性質は似ているが,生体に対する生理学的作用は異なる.すなわち,コレステロールとコレステノンはそれぞれ膜活性および不活性ステロイドとして知られている1).コレステロールは膜の構成成分として必須であり,分子間の濃縮効果により安定な膜の形成に寄与しているが,コレステノンにはそれらの効果はない.コレステノンが細胞膜の形成を阻害すればアポトーシスなどの細胞死を招き2),リポ蛋白質膜の形成に干渉すればリポ蛋白質による脂質の輸送が阻害されると考えられる.
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