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文献詳細

雑誌文献

臨床検査36巻9号

1992年09月発行

文献概要

トッピクス

マウスの肥満抑制物質―コレステノン

著者: 鈴木邦夫1

所属機関: 1理化学研究所

ページ範囲:P.1023 - P.1025

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 コレステノン(cholest-4―en-3―one)はコレステロールの3位の水酸基(―OH)がカルボニル基(―O)に変わり,B環の二重結合(△5)がA環(△4)にシフトしたもので,生体内では腸内細菌のコレステロールオキシダーゼ(cholesterol:oxigenoxidoreductase)によって腸管内で生成される物質である(図1).コレステノンはコレステロールと化学的性質は似ているが,生体に対する生理学的作用は異なる.すなわち,コレステロールとコレステノンはそれぞれ膜活性および不活性ステロイドとして知られている1).コレステロールは膜の構成成分として必須であり,分子間の濃縮効果により安定な膜の形成に寄与しているが,コレステノンにはそれらの効果はない.コレステノンが細胞膜の形成を阻害すればアポトーシスなどの細胞死を招き2),リポ蛋白質膜の形成に干渉すればリポ蛋白質による脂質の輸送が阻害されると考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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