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文献詳細

雑誌文献

臨床検査36巻9号

1992年09月発行

文献概要

トッピクス

カンピロバクター感染症とギラン・バレー症候群

著者: 藤本秀士1 天児和暢1

所属機関: 1九州大学細菌学教室

ページ範囲:P.1027 - P.1028

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 Campylobacter jejuniは,細菌性下痢症の主な起因菌として知られるが,まれに反応性関節炎やReiter症候群などの合併症が報告されている1).最近,このような合併症の1つとして,C.jejuni感染後に発症するGuillain-Barré症候群(GBS)が注目されている.
 GBS,多発性神経根炎(polyradiculoneuritis)は,急速に進行する運動神経麻痺を主体とする疾患で,重症例では呼吸筋も侵され死に至る2).この病気は,なんらかの原因で自己に対して生体防御機構が働いて末梢神経髄鞘(ミエリン)を破壊してしまう,いわゆる自己免疫疾患とされている.患者の大部分は,麻痺の起こる数週間前に上気道感染や消化器感染に罹患しており,このような先行感染が自己免疫異常の誘因と考えられている.しかし,その機序についてはほとんどわかっていない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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