icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床検査37巻10号

1993年10月発行

文献概要

今月の主題 HCV 話題

HCVとその変異

著者: 赤羽賢浩1

所属機関: 1山梨医科大学第1内科

ページ範囲:P.1132 - P.1133

文献購入ページに移動
1.はじめに
 HCVは変異をきたしやすいウイルスで,その遺伝子配列はきわめて多様性に富んでいる.現在までに分離され,その遺伝子の塩基配列が明らかにされているHCV株は,配列の相同性から4~6種の遺伝子型ゲノタイプにグループ分けされている.HCV遺伝子は全長約9.5kbの一本鎖のRNAであるが,HCV遺伝子内の変異は,遺伝子内に均等に起こるわけではなく,エンベロープ領域(E,E2/NS 1領域)の遺伝子変異は,5’-UTRやコア領域のそれに比し,はるかに高率である.なかでもE2/NS 1領域のN末端25~30アミノ酸残基からなる超可変領域(hyper-variable region; HVR)は特に変異が多く,同一のゲノタイプを示すHCV株間のみならず,同一個体から分離される複数のHCV株の間でさえ多様性が認められる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?