文献詳細
今月の主題 HCV
話題
文献概要
1.はじめに
永年多くの研究者によって捜し求められてきたC型肝炎ウイルス(HCV)がついに同定され,その形態や増殖様式も明らかにされないまま,遺伝子構造が決定された.さらにウイルスの構造蛋白質が合成できるようになってきた1,2).構造蛋白質はコア蛋白とエンベロープ蛋白(E1蛋白)からなる.遺伝子組換え技術を用いて合成されたコア蛋白を抗原として患者血液中の抗体を測定する方法はC型肝炎の第二世代の抗体測定法として広く使用されている.また,合成されたE1蛋白を抗原として患者血液中の抗体(E1抗体)を測定した結果,E1抗体の出現を契機にC型肝炎が治癒した症例の存在することが報告されている3).このような報告例は非常に少ないのであるが,最近,合成されたエンベロープ蛋白を用いたワクチンが動物実験で好成績を得たことが報告された.そこでC型肝炎ワクチンの可能性について考察する.
永年多くの研究者によって捜し求められてきたC型肝炎ウイルス(HCV)がついに同定され,その形態や増殖様式も明らかにされないまま,遺伝子構造が決定された.さらにウイルスの構造蛋白質が合成できるようになってきた1,2).構造蛋白質はコア蛋白とエンベロープ蛋白(E1蛋白)からなる.遺伝子組換え技術を用いて合成されたコア蛋白を抗原として患者血液中の抗体を測定する方法はC型肝炎の第二世代の抗体測定法として広く使用されている.また,合成されたE1蛋白を抗原として患者血液中の抗体(E1抗体)を測定した結果,E1抗体の出現を契機にC型肝炎が治癒した症例の存在することが報告されている3).このような報告例は非常に少ないのであるが,最近,合成されたエンベロープ蛋白を用いたワクチンが動物実験で好成績を得たことが報告された.そこでC型肝炎ワクチンの可能性について考察する.
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