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流水式のMRSA殺菌法
著者: 余明順1 本田武司1
所属機関: 1大阪大学微生物病研究所
ページ範囲:P.1144 - P.1145
文献購入ページに移動 MRSAをはじめさまざまな原因菌による院内感染の防止には,医用器具の消毒や室内清掃もさることながら,病院内医療従事者の手指消毒が最も基本的で重要な対策であると考えられる1).現在広く用いられているベースン内消毒剤による手洗いが抱えている一番大きな問題点は,有機物(血液など)の混入による殺菌力の低下である.手洗いに用いられる消毒薬は,程度の差こそあれ避け難い有機物の混入によって一様に効力が低下する.のみならず,近年ベースン内の消毒薬を調べると種々の日和見病原体が生存しているという多くの報告が見られるようになるにつけ,ベースン法の限界を思い知らされる.
これに代わって同じ消毒剤を2度使用しない方式として,水を使わない擦り込み式手指消毒剤なども使用されているが,経費の問題もあり病院内のすべての手洗いにこれを適用するのは難しい.
これに代わって同じ消毒剤を2度使用しない方式として,水を使わない擦り込み式手指消毒剤なども使用されているが,経費の問題もあり病院内のすべての手洗いにこれを適用するのは難しい.
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