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文献詳細

雑誌文献

臨床検査37巻10号

1993年10月発行

文献概要

資料

海外旅行者から分離されたCT産生性古典ウーボン型エルトールコレラ菌

著者: 野田孝治1 鈴木則彦1 宮城和文1 森英人1 吉田昭夫1 大村寛造1 高井慎也1 松本泰和1 林和1 林義則2 大高道也2 余明順3 山本耕一郎3 本田武司3 霜鳥翔一4

所属機関: 1大阪空港検疫所 2成田空港検疫所 3大阪大学微生物病研究所 4九州大学医療技術短期大学部

ページ範囲:P.1155 - P.1157

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 従来,古典ウーボン型エルトールコレラ菌は,コレラ毒素(以下CT)非産生性菌と考えられてきた.ごく例外的にケニアでの患者分離株で,CT産生性を認めたという報告があるのみであった.本研究では,1992年に成田,大阪両空港検疫所において海外旅行者25例から分離されたコレラ菌26株の中で,7例から占典ウーボン型8株を分離し,それらのCT産生能およびCT遺伝子の検索を行った.その結果,4株(約15%)がCT産生性古典ウーボン型エルトールコレラ菌であった.今回の成績から,古典ウーボン型にも,CT産生性コレラ菌が無視できない頻度で存在することが明らかになり,コレラの原因となりうる可能性があるので,今後,注意していく必要があると考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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