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文献詳細

雑誌文献

臨床検査37巻12号

1993年11月発行

文献概要

今月の主題 血液疾患をめぐる新しい検査 話題

自家骨髄移植

著者: 原田実根1

所属機関: 1九州大学医学部第一内科

ページ範囲:P.1245 - P.1247

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1.はじめに
 癌化学療法や放射線療法は,感受性のある悪性腫瘍に対して投与量依存性の抗腫瘍効果を示す.したがって,抗腫瘍剤の投与量や放射線照射量を増すことによって抗腫瘍効果も高まることが期待されるが,同時に治療による骨髄抑制も強くなりdose escalation(用量増大)はおのずから限界がある.そこで,前もって保存しておいた自家骨髄の移植によって血液学的再構築を図れば,従来の治療量をはかるに超える,骨髄抑制を考慮しない骨髄破壊的治療が可能になり,これによって抗腫瘍効果の増大および癌治療成績の向上が期待される1)
 自家骨髄移植(autologous bone marrow trans-plantation;ABMT)の本格的な臨床応用は1980年代のことで,その後移植例は着実に増加傾向を示し,世界で実施されたABMTは1981年の265例から1987年には1,200例以上に増加し2),1991年には7,000例に達するという.わが国におけるABMTの臨床応用も1980年代に入ってからであるが3),1991年の調査では173例にABMTが実施されている4)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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