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文献詳細

雑誌文献

臨床検査37巻12号

1993年11月発行

文献概要

TOPICS

新しい線溶活性物質ナットウキナーゼ

著者: 須見洋行1 矢田貝智恵子2

所属機関: 1岡山県立大学栄養学科 2岡山県立短期大学食物科

ページ範囲:P.1258 - P.1260

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 NHKの「トライ&トライ」とか「クイズ百点満点」などに出たので知っている方も多いと思うが,ナットウキナーゼとは"経口線溶療法1)"を目的に,最も安全性の高いと考えられる世界数百種の食品検索の中から唯一,わが国の納豆に発見された強力な血栓溶解酵素である.それも最初はロサンゼルス産の納豆を人工血栓の上に載せて発見されたものである.今はその分子構造も決定され,血栓症の国際学会では"ナットウ"は知らなくても"ナットウキナーゼ"と言えばわかるぐらいになっている.
 心筋梗塞などの治療には,現在血栓溶解剤としてヒト尿由来のウロキナーゼが静注されているが,納豆1パック(100g)にはその約20万単位(20万円)にも相当する力のあることが確認されている.なお,この酵素はナットウ菌が大豆から糸(粘り)の中に作り出すもので,したがって大豆をいくら食べてもその中には含まれていない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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