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文献詳細

雑誌文献

臨床検査37巻3号

1993年03月発行

文献概要

TOPICS

クリングル構造

著者: 野間昭夫1

所属機関: 1岐阜大学臨床検査医学

ページ範囲:P.302 - P.304

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 クリングル(kringle)構造は約80個のアミノ酸残基から成り,そのなかに3対のS-S結合を有するループ構造であり,その形が北欧の菓子のクリングルに似ているところから命名されたものである.X線回折法による三次元構造の解析も行われており,クリングル構造内のS-S結合部位間の4種の配列は,相互に離れるように異なった方向に向いたループ構造をとっていることが判明した(図1).
 このクリングルドメインは凝固第XII因子とウロキナーゼにそれぞれ1個,プロトロンビンや組織型プラスミノーゲンアクチベータ(t-PA)には2個,プラスミノーゲンには5個と凝固・線溶因子の機能蛋白として認められるものである.このクリングルドメインの機能を明らかにするために,最近では遺伝子工学的手法によって作製した組換え体ドメインを用いたり,プロテアーゼを用いて各クリングルドメインを単離したりすることが行われている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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