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文献詳細

雑誌文献

臨床検査37巻3号

1993年03月発行

文献概要

TOPICS

抗GM1抗体と運動ニューロン疾患・運動ニューロパチー

著者: 結城伸𣳾1

所属機関: 1東京医科歯科大学神経内科

ページ範囲:P.304 - P.305

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 運動ニューロン疾患とは,大脳皮質運動野に始まる上位運動ニューロン,脳神経核あるいは脊髄前角に始まる下位運動ニューロンが選択的におかされ,筋力低下,筋萎縮が慢性に進行する病気の総称である.下位運動ニューロンが選択的に,あるいは優位に傷害されて上位運動ニューロン徴候が明らかでない場合,運動ニューロパチーとの鑑別に苦慮することがある.その際,伝導ブロックなど運動神経の脱髄を示唆する電気生理学的所見が認められれば,運動ニューロパチーを考える.
 運動ニューロン疾患の病因は不明だが,正常対照に比してM蛋白血症を伴う頻度がやや高く,免疫抑制剤が有効の症例もみられたことから,一部の症例の病因として自己免疫の関与が示唆されていた.1986年Latovらのグループが1),下位運動ニューロン疾患患者の血清IgMM蛋白がGM1ガングリオシドと反応することを報告したことを嚆矢に同様の報告が相次いだ.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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