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Helicobacter pylori―胃炎起炎菌か疑われる新しい病原菌
著者: 藤岡利生1 伊藤彰1 黒木初美1 大野清美1
所属機関: 1大分医科大学第二内科
ページ範囲:P.305 - P.308
文献購入ページに移動胃粘膜上皮細胞の表層にらせん状の細菌が生息していることは,すでに19世紀末ころから知られていたが,1983年にオーストラリアのWarrenとMarshallによって初めて分離・培養されCampylobacter pyloridisと命名された1).その後,形態,発育様式,酵素,脂肪酸組成などの研究結果から新しい属として独立し,Helicobacter pylori(H. pylori)と呼ばれるようになった.今日までの多くの研究により,本菌の胃・十二指腸粘膜に対する病原性はほぼ確立された感がある2,3).本稿では,最近胃炎の起炎菌として注目されているH. Pyloriについて概説する.
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