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文献詳細

雑誌文献

臨床検査37巻3号

1993年03月発行

文献概要

TOPICS

VLA

著者: 鹿児島大学医動物学1

所属機関: 1松山 隆美

ページ範囲:P.308 - P.309

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 VLA〔very late antigen,cluster designation(CD)29〕は,初めT細胞を刺激後2~4週間培養すると発現するα,β鎖からなる表面抗原として発表された.その後,β鎖(β1鎖)は同じでα鎖の異なる蛋白が次々に見つかり,さらにα4,α6は異なるβ鎖と結合することが明らかになった1)(表1).現在,β1鎖を共有する蛋白をVLAと呼び,VLAを含むhomologyのあるβ鎖からなるαβヘテロダイマーをintegrin familyと称する.
 VLAα鎖は構造上3種に分類できる.α1,α2鎖のように180~200のアミノ酸からなる挿入配列を有する群(Iドメイン),α4鎖のようにS-S結合外の部位にprotease cleavage siteを持つ群,α3,α5,α6,α7,α8,αv鎖のようにC末端に近いS-S結合内にcleavage siteを持つ群である.Iドメインはcartilage matrix protein,von Willebrand因子のA1,A3ドメイン,Ⅳ型コラーゲンにみられ,コラーゲンとの結合に関与していると考えられる.α鎖内のhomologyは20~30%であるが,C末端細胞内部分ではhomologyはほとんどない.一方,種間でのhomologyは高いので,各α鎖に特有な細胞内骨格との結合が示唆される.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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