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文献詳細

雑誌文献

臨床検査37巻3号

1993年03月発行

文献概要

研究

SGH-N14融合抗原を用いた抗HCV抗体の測定

著者: 森秀治1 守田和樹1 杉本整治2 福井正憲1 好田肇3 前田栄樹4 長谷川護2 有馬暉勝4

所属機関: 1協和メデックス(株)研究所 2協和発酵(株)東京研究所 3協和発酵(株)研究開発企画室 4鹿児島大学医学部第2内科

ページ範囲:P.311 - P.313

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 遺伝子工学的手法により調製したSGH-N14融合蛋白質1)を使用し,酵素免疫測定法(EIA法)によるHCV抗体測定キットを開発した.管理血清(高・中・低の3濃度)を試料とした吸光度のプレート内同時再現性は10%以内,また,プレート間再現性も10%以内と,いずれも良好な結果を示した.また,肝疾患関連患者検体を対象に,C-100抗体測定キット(オーソ社)とその測定結果を比較したところ,慢性肝炎においてはSGH-N14抗体の検出率が60.7%とC-100抗体の50.3%に比べ有意に高率であった.さらに,SGH-N14抗体のみ陽性を示した検体について,その反応性をN14関連抗原ペプチドを用いたWB法により解析したところ,いずれもN14の中央部のペプチドと反応性を有していた.この部位はHCVの構造蛋白質とのホモロジーが報告されている2)ことから,これら検体は,いずれも真にHCV抗体陽性の検体であり,オーソ社との不一致は,使用している抗原に依存したものと推定された.これより,SGH-N14融合蛋白質を抗原とした本測定系を併用することにより,検出率を高めることができると期待される.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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