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左室拡張能の新しい指標―超音波ドプラ法
著者: 三宅仁1 吉川純一1 赤阪隆史1
所属機関: 1神戸市立中央市民病院循環器内科
ページ範囲:P.547 - P.549
文献購入ページに移動 従来から左室拡張能の指標として,心臓カテーテル検査による時定数τやRI法(心プールシンチ)による左室容量曲線から求めた最大左室充満速度(peak filling rate;PFR)などが用いられてきた.近年,超音波パルスドプラ法を用いて得られる左室流入血流速パターンは,心臓カテーテル検査やRI法によって得られる左室容量曲線と相関することから,左室拡張能の指標として用いられている.本法は非侵襲的に簡便にベッドサイドで繰り返し行えるため,本法を用いた左室拡張能の指標が広く用いられるようになってきている.本稿では,左室拡張能の指標として,超音波ドプラ法,特にパルスドプラ法による左室流入血流速パターンの分析を中心に解説する.
本法によって得られた健常例の左室流入血流速パターンでは,図1に示すように急速流入波Eの最大速度(PFVE)が心房収縮波A波の最大速度(PFVA)より速く,またE波のピークからの減速時間(deceleration time:DcT)は200msec程度である.左室の拡張能は加齢にともなって低下するため,一般に年齢とともにE波は減高し,A波は増高する.そして,健常例においても55歳前後を境にしてA波はE波に比べて高くなり,その比A/Eは1より大となる.
本法によって得られた健常例の左室流入血流速パターンでは,図1に示すように急速流入波Eの最大速度(PFVE)が心房収縮波A波の最大速度(PFVA)より速く,またE波のピークからの減速時間(deceleration time:DcT)は200msec程度である.左室の拡張能は加齢にともなって低下するため,一般に年齢とともにE波は減高し,A波は増高する.そして,健常例においても55歳前後を境にしてA波はE波に比べて高くなり,その比A/Eは1より大となる.
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