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文献詳細

雑誌文献

臨床検査37巻6号

1993年06月発行

文献概要

今月の主題 甲状腺の検査 病態解説

バセドウ病

著者: 越智幸男1 乾武広2

所属機関: 1滋賀医科大学臨床検査医学講座 2滋賀医科大学臨床検査医学講座附属病院検査部

ページ範囲:P.629 - P.635

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 バセドウ病は甲状腺機能亢進症を呈する病態であるが,特徴的な3症状(甲状腺腫,頻脈,眼球突出)を有する疾患である.多くの仮説が提示されていたが,1956年に本症血中にLATSが発見され,これが甲状腺刺激抗体IgGであることから,自己免疫機序が本症の病因に深く関与していることが明らかになった.また,近年TSHレセプターアッセイにより,本症患者血中の甲状腺刺激抗体(TSAb)はTSHレセプターに結合する抗体(TRAb)であることが明らかになった.未治療バセドウ病の90%はTRAbが陽性であるが,治療により症状が改善すると陰性化することが多い.TSAbの抗原検索また眼球突出惹起の本態など多くの未解決の問題点がある.〔臨床検査37(6):629-635,1993〕

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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