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今月の主題 甲状腺の検査 病態解説
バセドウ病
著者: 越智幸男1 乾武広2
所属機関: 1滋賀医科大学臨床検査医学講座 2滋賀医科大学臨床検査医学講座附属病院検査部
ページ範囲:P.629 - P.635
文献購入ページに移動 バセドウ病は甲状腺機能亢進症を呈する病態であるが,特徴的な3症状(甲状腺腫,頻脈,眼球突出)を有する疾患である.多くの仮説が提示されていたが,1956年に本症血中にLATSが発見され,これが甲状腺刺激抗体IgGであることから,自己免疫機序が本症の病因に深く関与していることが明らかになった.また,近年TSHレセプターアッセイにより,本症患者血中の甲状腺刺激抗体(TSAb)はTSHレセプターに結合する抗体(TRAb)であることが明らかになった.未治療バセドウ病の90%はTRAbが陽性であるが,治療により症状が改善すると陰性化することが多い.TSAbの抗原検索また眼球突出惹起の本態など多くの未解決の問題点がある.〔臨床検査37(6):629-635,1993〕
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