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文献概要
今月の主題 甲状腺の検査 話題
T3レセプター
著者: 三橋知明1
所属機関: 1東京大学医学部第三内科
ページ範囲:P.656 - P.657
文献購入ページに移動1.はじめに
甲状腺ホルモン受容体は細胞核内に存在するホルモン依存性転写因子である.すなわち,甲状腺ホルモン受容体は甲状腺ホルモン(T3)という細胞外からのシグナルを受容し,ほかの情報伝達系と相互作用しつつ,標的遺伝子のプロモーター領域の甲状腺ホルモン反応性DNA配列に結合し,標的遺伝子の発現を転写段階で調節している.この甲状腺ホルモン作用の基本的概念は甲状腺ホルモン受容体のクローニング1,2)により実証されたが,その後に得られた知見により甲状腺ホルモン作用の全体像はきわめて複雑であり,多くの情報伝達系と密接な相互作用を行っていることが明らかにされつつある(図1).
甲状腺ホルモン受容体は細胞核内に存在するホルモン依存性転写因子である.すなわち,甲状腺ホルモン受容体は甲状腺ホルモン(T3)という細胞外からのシグナルを受容し,ほかの情報伝達系と相互作用しつつ,標的遺伝子のプロモーター領域の甲状腺ホルモン反応性DNA配列に結合し,標的遺伝子の発現を転写段階で調節している.この甲状腺ホルモン作用の基本的概念は甲状腺ホルモン受容体のクローニング1,2)により実証されたが,その後に得られた知見により甲状腺ホルモン作用の全体像はきわめて複雑であり,多くの情報伝達系と密接な相互作用を行っていることが明らかにされつつある(図1).
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