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文献詳細

雑誌文献

臨床検査37巻6号

1993年06月発行

文献概要

今月の主題 甲状腺の検査 話題

甲状腺癌の新しい診断法―甲状腺癌特異性モノクローナル抗体(TCM-9)

著者: 森徹1 須川秀夫1

所属機関: 1京都大学医学部臨床検査医学講座

ページ範囲:P.660 - P.662

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1.はじめに
 画像診断技術の進歩および穿刺吸引細胞診の普及によって,甲状腺癌ことに乳頭癌の診断はかなり的確になった.しかし,結節性甲状腺腫の診断上最も重要なことは,①良性腺腫と濾胞癌の鑑別,および②未分化癌の診断であり,血中サイログロブリン(Tg)測定や201Tlシンチを含めて,現行のものでは不十分と言わざるをえない.もちろん,術後経過観察上のTg測定の意義は認められるが,今求められるのは,未分化癌を含めた癌特異性マーカーである.
 従来からTgに対するモノクローナル抗体の検討が進められているが,なお癌特異性と言えるものはみられない.本稿では,筆者らが作製した甲状腺癌特異性モノクローナル抗体の概要を紹介するとともに,今後の方向として期待される遺伝子診断の現状を紹介する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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