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LPSによるマクロファージ活性化の開始機構―LBPとCD 14の役割
著者: 西島正弘1
所属機関: 1国立予防衛生研究所細胞化学部
ページ範囲:P.683 - P.684
文献購入ページに移動 グラム陰性菌の細胞壁に存在するリポポリサッカライド(LPS)は菌体内毒素(エンドトキシン)の本体であり,発熱,ショック,インターフェロン誘発,抗腫瘍活性など多彩な生理作用を示す.LPSに対し生体が示すこれら諸反応の中で中心的役割を果たしているのはマクロファージである.したがって,LPSに対するマクロファージの応答機構の解明はきわめて重要な研究テーマである.
マクロファージはngオーダーの微量のLPSにより活性化を受け,プロスタグランジン,IL-1,TNF,活性酸素など種々の生理活性物質を産生・放出する.このLPSによるマクロファージ活性化の第一ステップはLPSのマクロファージへの結合であるが,最近,この反応に2つの蛋白質,LBP (lipopolysaccharide binding protein)とCD14が関与することが明らかにされた1,2).すなわち,LPSはまずLBPと結合し,その結果形成されるLPSとLBPの複合体がCD14に結合することによリマクロファージが活性化されることが判明した(図1).
マクロファージはngオーダーの微量のLPSにより活性化を受け,プロスタグランジン,IL-1,TNF,活性酸素など種々の生理活性物質を産生・放出する.このLPSによるマクロファージ活性化の第一ステップはLPSのマクロファージへの結合であるが,最近,この反応に2つの蛋白質,LBP (lipopolysaccharide binding protein)とCD14が関与することが明らかにされた1,2).すなわち,LPSはまずLBPと結合し,その結果形成されるLPSとLBPの複合体がCD14に結合することによリマクロファージが活性化されることが判明した(図1).
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