文献詳細
文献概要
今月の主題 粘膜免疫と臨床検査 総説
分泌型IgA
著者: 小林邦彦1
所属機関: 1北海道大学医学部臨床検査医学講座
ページ範囲:P.713 - P.718
文献購入ページに移動 粘膜表面には多量の分泌型IgAが常時分泌されている.この分子は局所の粘膜下の形質細胞で産生され粘膜細胞内を通過して粘膜外に分泌されたもので,多数の消化管内の微生物抗原に対する抗体活性を持つ.しかし,この抗体はIgGやIgMなどと異なり補体活性化や食細胞へのオプソニン化はほとんどない.この抗体の粘膜上での本質的な作用は抗原と結合後,分泌液とともに体外に排出することにあると考えられる.〔臨床検査37(7):713-718,1993〕
掲載誌情報