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文献詳細

雑誌文献

臨床検査37巻7号

1993年07月発行

文献概要

TOPICS

カルパインとカルパスタチン

著者: 高野恵美子12 牧正敏1

所属機関: 1京都大学ウイルス研究所 2国立京都病院

ページ範囲:P.797 - P.798

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 カルパインは,カルシウム依存性システインプロテイナーゼである.1964年,Ca2+で活性化される中性プロテアーゼとしてGuroffによって見いだされたが,後に,ホスホリラーゼbキナーゼの活性化因子と同一であることが明らかにされた.Ca2+濃度要求性の異なる2種類が存在し,低濃度感受性型をμ型,高濃度型をm型と呼ぶ.ともに分子量80kDaの大サブユニットと30kDaの小サブユニットから成る.一方,カルパスタチンはカルパインの内在性阻害蛋白質として,Waxmanらおよび村地らによって発見された.カルパインとカルパスタチンは,動物の組織,細胞に広く存在する1,2).これらの蛋白質の精製,ならびにcDNAによる一次構造解析などは日本の研究者によってなされた3)
 カルパインは,Ca2+を結合するカルモジュリン様領域とパパインなどに似たプロテアーゼ領域を含む.種々の蛋白質を限定分解して,不可逆的変化をもたらすことによって,Ca2+に伴う細胞機能調節を行っていると考えられる.カルパインの天然基質は数十種報告されている.Cキナーゼ,筋蛋白質,核蛋白質や膜蛋白質,膜貫通蛋臼質NCAM,N-カドヘリン,翻訳開始因子4Fの分解,リンホカイン(IL-Iα)のプロセッシングなどである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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