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文献詳細

雑誌文献

臨床検査37巻8号

1993年08月発行

文献概要

今月の主題 抗菌薬感受性試験 話題

連続血液培養モニター装置

著者: 安達桂子1

所属機関: 1東京都立豊島病院検査科

ページ範囲:P.906 - P.907

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1.はじめに
 敗血症は重篤な全身症状を呈することが多く,早期診断と適切な化学療法が治療成績を左右する.したがって,血液から原因菌を速やかに検出し,その薬剤感受性検査を実施することが重要で,臨床に応えられる細菌検査室が求められている.血液培養は今日でも多くの施設が培養びんの肉眼的観察およびblind subcultureによる判定を行っているが,米国では基質に14Cをラベルし,発生する14CO2を検出するバクテックシステムが以前から普及し,広く用いられていた1).しかし,このシステムはラジオアイソトープを使うためわが国では普及しなかった.
 その後,CO2を赤外線分光器で検出するバクテックシステム(BACTEC NR-660,BACTEC NR-730:Becton-Dickinson)が導入されるようになってから,にわかに血液培養システムに関心が払われるようになった.このシステムによって自動化,省力化および菌の迅速検出が可能となり,とりわけ高価なAntimicrobial Removal Device(ARD)に代わってレズンボトルの使用および振盪培養は菌の検出を短縮するのに役だっている2).しかし,測定の際のボトルトレイをセットするわずらわしさや,1本当たりの測定時間が35秒もかかるなどの問題も残っている.最近,全自動血液培養モニター装置が3社から発売され,よりいっそう省力化,迅速化されるようになった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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