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文献詳細

雑誌文献

臨床検査37巻8号

1993年08月発行

文献概要

TOPIC

コンドロモジュリン-Ⅰ

著者: 鈴木不二男1

所属機関: 1大阪大学歯学部生化学教室

ページ範囲:P.916 - P.918

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 軟骨細胞の増殖には増殖因子の要求性が低く,接触阻害(contact inhibition)もかからない.また軟寒天培地中でもコロニーの形成が起こるので,軟骨細胞も自ら増殖因子を産生すると予測された.実際,Klagsbrunら1)は,ウシ軟骨から強力な増殖因子を精製したが,後に,この因子はbasic fibroblast growth factor(bFGF)そのものであることがわかった.
 一方,われわれ2)は,軟骨細胞の分化マーカーであるプロテオグリカン(PG)合成は副甲状腺ホルモン,カルシトニンやソマトメジン様因子などによって促進されることを明らかにした.さらにウシ胎仔軟骨から軟骨細胞のDNA合成およびPG合成を促進する因子を精製し,これをcarti-lage-derived factor(CDF)と名づけた3).さらにCDFをbFGFと共存させると軟骨細胞のDNA合成が相乗的に促進することを明らかにした4).最近,新鮮なウシ胎仔軟骨からbFGFの作用を相乗的に促進する因子の完全精製に成功し,この因子が軟骨細胞の増殖・分化をmodulateすること,また軟骨中には同様の活性を示す数種類の因子が含まれていることから,この因子をコンドロモジュリン-Ⅰ(chondromodulin-I;ChM-I)と改名した5)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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