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文献詳細

雑誌文献

臨床検査37巻8号

1993年08月発行

文献概要

研究

酵素標識DNAプローブを用いたVibrio parahaemolyticusの溶血毒(TDH,TRH)検出法と従来法との比較検討

著者: 鈴木則彦1 宮城和文1 森英人1 吉田昭夫1 野田孝治1 大村寛造1 高井慎也1 松本泰和1 楠井善久2 林和1 余明順3 山本耕一郎3 本田武司3

所属機関: 1大阪空港検疫所 2長崎検疫所 3大阪大学微生物病研究所

ページ範囲:P.927 - P.930

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 腸炎ビブリオは,患者由来株のほとんどが耐熱性溶血毒(TDH)あるいはその関連毒素(TRH)を産生することなどから,これらの毒素が病原性と大きくかかわっていると考えられている.TDH,TRHの検出には従来免疫学的手法やラジオアイソトープ(RI)を使用したDNAプローブ法などが用いられていた.これらの方法は,感度,所要時間などの問題,RIを使用するための特別な施設や操作技術が必要なことなど諸々の問題があった.今回,酵素標識オリゴヌクレオチドプローブを用いたハィブリダイゼーションを行い,TDH,TRHの遺伝子の有無を調べ,従来法である免疫学的手法およびRI法との成績を比較した結果,良好な成績が得られた.また,酵素標識オリゴヌクレオチドプローブ法は,所要時問も2.5時間程度と短く,結果の判定も容易であるため,検査室での実用化に適していると思われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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