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文献詳細

雑誌文献

臨床検査37巻9号

1993年09月発行

文献概要

研究

3種のALPアイソザイム検出法に基づくALPアイソザイム分画比の変動について―ALP活性測定法との誤った組み合わせはないか

著者: 星野忠1 菰田二一2 熊坂一成1 河野均也1

所属機関: 1日本大学医学部臨床病理 2埼玉医科大学第1生化学

ページ範囲:P.1041 - P.1044

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 アルカリホスファターゼ(ALP,EC 3.1.3.1)活性測定の勧告法は国際臨床化学連合(IFCC)をはじめ,各国の臨床化学会からの提案がある.しかし,ALPアイソザイムの標準となるべき検出法についてはまだ提案がない.そこでわれわれはヒト臓器由来の肝,胎盤,小腸の各ALPアイソザイム標品を用い,市販の電気泳動法による各種ALPアイソザイム検出法(ジアゾ法,インジゴ・ブルー法,ホルマザン法)間の差異を比較検討した.検討成績から,小腸ALPアイソザイムの検出度が3法で著しく異なるという結果を得た.特にホルマザン法はJSCCが勧告した活性測定法に近似した値が得られ,他の2法に比し,各ALPアイソザイムの定量性に関してより均一に測定できる試薬として評価できた.これに対し,インジゴ・プルー法はIFCCが勧告した活性測定法に近似した値が得られた.つまり,ALPアイソザイム検出法はALP活性測定法に併せて選択すべきであろう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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