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編集者への手紙
血漿中に遊離型フコースはほんとうに存在するのか/著者からの返事
著者: 三浦雅一1
所属機関: 1(株)三菱油化ビーシーエル研究開発部
ページ範囲:P.1051 - P.1052
文献購入ページに移動 私は,UFC測定試薬TaKaRa (宝酒造)を使用し尿中の遊離型L-フコースの測定を行いました1).未発表ではありますが,そのときに血清中の遊離型L一フコースの測定も試みたところ,ほとんど検出することができませんでした.この結果はSakaiら2)の報告とも一致するものと思われます.同時に健常者と癌患者の比較も行いましたが,まったく差は認められませんでした.
血中(血清あるいは血漿)のフコースは蛋白結合性,すなわち糖鎖に結合したフコースが大部分であると思われます.これらのフコースはα-L-フコシダーゼによって蛋白中(糖鎖)から切断されない限りは遊離型として血中に存在するとは思えません.著者の報告によると血漿中の遊離型フコースは健常人で24.4±18.1μg/mlということですが,これをmol濃度に換算すると0.15±0.11mmol/lという測定値が得られたということなります.ほんとうに血漿中にこれだけの遊離型フコースが存在するのでしょうか.いくつかの疑問点があります.
血中(血清あるいは血漿)のフコースは蛋白結合性,すなわち糖鎖に結合したフコースが大部分であると思われます.これらのフコースはα-L-フコシダーゼによって蛋白中(糖鎖)から切断されない限りは遊離型として血中に存在するとは思えません.著者の報告によると血漿中の遊離型フコースは健常人で24.4±18.1μg/mlということですが,これをmol濃度に換算すると0.15±0.11mmol/lという測定値が得られたということなります.ほんとうに血漿中にこれだけの遊離型フコースが存在するのでしょうか.いくつかの疑問点があります.
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