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文献詳細

雑誌文献

臨床検査38巻1号

1994年01月発行

文献概要

トピックス

空調病・加湿器肺

著者: 佐藤篤彦1 源馬均1

所属機関: 1浜松医科大学第二内科

ページ範囲:P.96 - P.97

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 加湿器や空調設備の汚染微生物(抗原)を反復吸入することによって感作され発症する過敏性肺臓炎を,空調病・加湿器肺(ventilstion peumo-nitls: VP,換気装置肺炎)と称する.
 VPの最初の報告は,1970年アメリカのBana-szakらで1),会社事務員27人中4人が悪寒,発熱,息切れで発症し,胸部X線像では,びまん性に微細粒状影の散布が認められ,事務所での再暴露を避けることで治癒している.事務所の空調設備には,加湿器とヒーターが組み込まれており,その冷却水とスチームコイルからMicro-polyspora fanieに類似した好熱性放線菌が検出され,菌抽出物と患者血清の沈降反応は陽性であった.患者は抽出物の吸入試験で7-12時間後に症状の再燃を呈した.以後,アメリカからはM.fanieやThermoactinomyces vulgarisなどの好熱性微生物に汚染された加湿器による発症例が多数報告された.家庭用での散発例もあるが,大工場内の空調を共同使用する部門の従事者50名中26名が発症したとの報告2)にみられるように,事業所内を起因環境とする報告例が多数であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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