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文献詳細

雑誌文献

臨床検査38巻11号

1994年10月発行

文献概要

特集 ホルモンと生理活性物質 各論 1.視床下部ホルモン系

1) CRH (CRF)

著者: 須田俊宏1

所属機関: 1東京女子医科大学内科学第2

ページ範囲:P.60 - P.62

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生合成・分泌・機能
 1.生合成
 ACTH分泌刺激因子であるcorticotropin-releas-ing hormone (CRH)またはcorticotropin-releasing factor (CRF)は視床下部室傍核の小細胞で合成される.CRF遺伝子は2つのエキソンと1つのイントロンからなり,この5′側上流にはcAMP反応部位がある.その遺伝子発現は主にAキナーゼ系により促進され,糖質コルチコイドで抑制される.CRF mRNAから翻訳されてできたCRF前駆体は196個のアミノ酸からなり,その後修飾されて41個のアミノ酸からなるCRFができる.
 CRFの合成と分泌の3大調節因子として,①日内リズム,②ストレス,③糖質コルチコイドによるネガティブフィードバック,がある.日内リズムとはヒトなら早朝,夜行性動物なら夕方~夜にかけてCRF―ACTH―糖質コルチコイドの分泌が亢進するパターンをいう.そのため鍵となるCRF mRNAは分泌ピークの数時間前から増加し始めてCRF合成を促進させ,その後分泌が亢進する.ストレスによるCRF遺伝子発現の亢進には,カテコールアミン,アセチルコリン,ヒスタミンなどのほかにアンギオテンシンIIやニューロペプチドYなどの神経伝達物質が関与している.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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