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文献詳細

雑誌文献

臨床検査38巻11号

1994年10月発行

文献概要

トピックス

ビスホスホネイト

著者: 中塚喜義1 森井浩世2

所属機関: 1大阪市立大学医学部老年科 2大阪市立大学医学部第2内科

ページ範囲:P.62 - P.62

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 ビスホスホネイト(bisphosphonate; BP.以前はdi-phosphonateと呼ばれていた)は,初め水の軟化薬と理解されていたが後にさまざまな骨疾患に使用されるべく開発されるようになったP-C―P結合を特徴とするpyrophosphateのアナログである.炭素と結合する水素を置換することで生化学的,生物学的,治療的に全く異なった特徴を持つさまざまなBPが合成され,現在,約12種類のBPが検討され,そのうち9種類は既に臨床応用されている.ヨーロッパではeti-dronate, alendronate, clodronate, pamidronateの4種類が骨疾患治療薬として認可されている.
 BPは骨形成の部位,破骨細胞のある骨吸収の部位の両方での骨ミネラルに強い親和性を持つ.この特性はこの物質を99mTcに結合させることで骨シンチグラムとして核医学に利用されてきた.BPはカルシウム・リンの結晶の形成と集合を抑制し,石灰化を阻害するが,この作用はetidronateの場合,異所性骨化や石灰化の予防に応用されている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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