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文献詳細

雑誌文献

臨床検査38巻11号

1994年10月発行

文献概要

特集 ホルモンと生理活性物質 各論 2.下垂体前葉ホルモン系

2) ACTH, LPH

著者: 田中孝司1

所属機関: 1帝京大学医学部第3内科

ページ範囲:P.77 - P.81

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生合成・分泌・機能
 副腎皮質刺激ホルモン(ACTH; adrenocorticotro-pic hormone, adrenocorticotropin, corticotropin)は下垂体前葉で合成され,副腎皮質に作用して副腎皮質ステロイドの合成分泌を促進するホルモンである.リポトロピン(LPH; lipotropin, lipotropic hormone)にはβ-LPHとγ-LPHがあり,まとめてLPHと呼ぶ.
 ACTHとLPHは,この両者と他の活性ペプチドを含む大分子の共同前駆体(common precursor)として合成されたのち,蛋白分解酵素により切断されて生じる.この共同前駆体はACTH, LPHのほかに色素細胞刺激作用のあるMSH (melanocyte-stimulatinghormone),モルフィン作用のあるエンドルフィンなどを含むためproopiomelanocortin (POMC)と呼ばれる.したがって種々の生理的条件,病態でACTHとLPHの合成,分泌と血中濃度は並行する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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