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文献詳細

雑誌文献

臨床検査38巻11号

1994年10月発行

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トピックス

糖輸送担体

著者: 多田薫子1 奥田諭吉1

所属機関: 1筑波大学臨床医学系内科

ページ範囲:P.87 - P.87

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 ブドウ糖は生体のすべてのエネルギー源に広く利用されているが,この取り込み過程は細胞膜に存在する糖輸送担体(glucose transporters)と呼ばれる蛋白で介在されることが知られている.この担体は組織によってナトリウム糖輸送担体と促通拡散型輸送担体の2種類に分類することができる.このうち後者は糖の濃度勾配に依存し促通拡散を行う輸送担体であるが,近年この糖輸送担体が,その膜蛋白の遺伝子のクローニングの結果,構造上きわめて類似した5種類のサブタイプに分類できることが判明し,発見された順にそれぞれGLUT1, GLUT2, GLUT3, GLUT4, GLUT5と命名された.これらはいずれも分子量は約5万で,構成するアミノ酸は異なるものの,そのアミノ酸鎖は細胞膜を12回貫通し,細胞中央に大きなループを持つことが明らかにされた(図1).以下,特性なども解明されている主なGLUTについて述べる.
 1.GLUT 1 492のアミノ酸から成り,赤血球・大脳などで高レベルに発現を認める.ブドウ糖に対するKmは2~30 mmol/1と低値であり,糖取り込みは生理的なブドウ糖濃度で最高に達すると考えられ,エネルギーをブドウ糖に依存する脳などの臓器の糖利用に適している.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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