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文献詳細

雑誌文献

臨床検査38巻11号

1994年10月発行

文献概要

特集 ホルモンと生理活性物質 各論 2.下垂体前葉ホルモン系

6)TSH

著者: 木村博典1 長瀧重信1

所属機関: 1長崎大学医学部第1内科

ページ範囲:P.91 - P.94

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生合成・分泌・機能
 1.生合成
 甲状腺刺激ホルモン(thyroid-stimulating hormone,thyrotropin;TSH)は下垂体前葉細胞から分泌される,分子量約28,000の糖蛋白ホルモンである.糖鎖が付加されたαサブユニットとβサブユニットの2つのサブユニットから成り,各々のサブユニットは異なった染色体上の異なった遺伝子にコードされていて,独立してプレホルモンを経て生合成される.αサブユニットはTSH,LH,FSH,hCGで共通であるが,βサブユニットはTSHに特異的である.したがって,TSHのホルモンとしての特異性はβサブユニットに基づいている.αサブユニットは89個のアミノ酸から,βサブユニットは112個のアミノ酸から成り,それぞれに糖鎖が付加されている.ホルモンとしての作用を発現するためには,αサブユニットとβサブユニットが結合して一定の立体構造を保つことが必要である.
 TSHの遺伝子の発現および蛋白合成は多くの因子によって調節されている.その中で主要な因子は甲状腺ホルモンとTSH放出ホルモン(thyrotropinreleasing hormone;TRH)である(図1).

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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