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文献詳細

雑誌文献

臨床検査38巻11号

1994年10月発行

特集 ホルモンと生理活性物質

各論 5.副甲状腺ホルモン・骨代謝ホルモン系

4) CGRP

著者: 高見博1

所属機関: 1帝京大学医学部第1外科

ページ範囲:P.116 - P.117

文献概要

生合成・分泌・機能
 1.生合成
 カルシトニン遺伝子関連ペプチド(calcitonin gene-related peptide; CGRP)は分子遺伝子学の技術によって発見された最初の生物学的活性のあるペプチドの1つであり,カルシトニンと同一の遺伝子から発現され,37個のアミノ酸から成っている(図1)1)
 カルシトニン遺伝子はRNAへの転写後,その形質発現上2種のmRNAを産生し,臓器特異的に甲状腺C細胞ではカルシトニンmRNAを,脳・中枢神経系ではCGRPmRNAを派生し,それぞれカルシトニンとCGRPの前駆体蛋白を産生する.CGRPはラット甲状腺髄様癌の継代移植中にカルシトニンとは異なる別のmRNAが発見され,このmRNAの情報に基づいて,分子遺伝子学の技術により合成されたペプチドである.したがって,生物活性を指標として抽出・構造決定されたほかの多くのペプチドとは逆の研究経緯をたどっている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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